西洋医学では不調の原因を見つけてそこを治しますが、漢方では体のバランスを整えて健康にするという考えが基本です。もちろん、漢方薬にも炎症を鎮める、頭痛や胃痛を緩和するといった即効性のある薬もあります。
しかし、その基本となる考え方はそれぞれの体の弱いところを補強し、強過ぎるところを抑え、気・血・水の巡りをよくして体の調和を図るというものです。ですから、40歳からの女性に多い、原因が特定できない症状を改善するのにピッタリなのです。
更年期を迎えた女性に起きる不調の原因は、女性ホルモンの分泌量以外は数字で測れないものがほとんどです。
ホットフラッシユ、だるい、めまいがする、イライラする、不安になる、冷えるなどの更年期の代表的な症状は、本人がつらくて困っているにもかかわらず、女性ホルモンの低下以外は血液検査やCTなどで異常がないことがほとんどです。
さらに、眠りが浅い、関節が痛む、粘膜が乾燥する、目がかすむ、耳鳴りがするといった老化現象とくくられるような症状も、検査では原因がはっきりしませんから、検査を重要視する西洋医学ではお手上げとなってしまうことが多いのです。
ところが漢方では原因が特定できなくても、足りないものを補う、不要なものがたまっていればそれを排出する、体力そのものが落ちているならば胃腸を強化して体力を養うなど、体の調和を図ることで症状を改善することができるのです。